特集 内科臨床と性差
性差を意識した診療
薬物代謝と性差
上野 光一
1
,
佐藤 洋美
2
1千葉大学予防医学センター
2千葉大学大学院薬学研究院臨床薬理学
キーワード:
性差
,
薬物代謝酵素
,
トランスポーター
,
薬効
,
有害作用
Keyword:
性差
,
薬物代謝酵素
,
トランスポーター
,
薬効
,
有害作用
pp.1075-1078
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_1075
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Summary
▪薬物療法において薬効や有害作用に男女差がしばしば認められる.この理由の一つに,薬物が体内に入ってから消失するまでにたどる過程(薬物動態)や,薬物の作用部位における効力(薬力学)の性差がある.
▪この性差は,男女の体格の差やそれに伴う臓器の大きさの差だけで説明がつくわけではない.
▪薬物代謝酵素やトランスポーターなどの性差発現に関しては,遺伝子発現機構などが解明されつつある.
▪肝機能や腎機能は加齢により低下するため,性差とともに年齢差についても考慮する必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2021