書評
リハビリテーションの思想 人間復権の医療を求めて―上田敏(東京大学教授)〔著〕
大川 嗣雄
1
1横浜市立大学付属病院リハビリテーション科
pp.48
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103949
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
良い本には2種類あるように思われる.1つは,毎ページに内容と重さがあり,一ページを読み終わるごとに小休止をおかないと前へ進めないような感じの本である.このような本の読後には充実感が残る.一方,読んでいる間はあまり抵抗が無く,寝転んでいても読み終えてしまうが,しかし,読み終わってみると,もう一度今度は机の前に坐って読み直してみたくなるような本がある.このような本の読後は爽(さわや)かである.
著者の上田教授は,「リハビリテーションを考える」(青木書店)という名著を以前に出されたが,今回は「リハビリテーションの思想―人間復権の医療を求めて」を著された.冒頭の文章に二つの本を当てはめるならば,「リハビリテーションを考える」は前者,「リハビリテーションの思想」は後者であろう.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.