書評
上田 敏(東京大学教授) 著―リハビリテーションの思想 人間復権の医療を求めて
大川 嗣雄
1
1横浜市立大学
pp.590
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106566
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良い本には2種類あるように思われる.1つは,毎頁に内容と重さがあり,一頁を読み終る毎に小休止をおかないと前へ進めないような感じの本である.このような本の読後には充実感が残る.一方,読んでいる間は余り抵抗がなく,寝転んでいても読み終えてしまう.しかし,読み終ってみると,もう一度今度は机の前に坐って読み直してみたくなるような本がある.このような本の読後は爽やかである.
著者の上田教授は,「リハビリテーションを考える」(青木書店)という名著を以前に出されたが,今回は「リハビリテーションの思想―人間復権の医療を求めて」を著された.冒頭の文章に二つの本を当てはめるならば,「リハビリテーションを考える」は前者,「リハビリテーションの思想」は後者であろう.
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