ひと
東京大学病院リハビリテーション部主任教授になられた 上田 敏(うえだ・さとし)氏
津山 直一
1,2
1東京大学
2国立身体障害者リハビリテーションセンター更生訓練所
pp.914
発行日 1984年11月10日
Published Date 1984/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105287
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このたび東大附属病院リハビリテーション部主任教授として上田敏講師が昇任された.待望久しい国立大学のリハビリ専任教授(分院・研究所を除く)の実現である.これを第一歩としてさらに診療科,講座の実現を望みたい.氏は昭和31年の卒であるが,初めに志した神経学が診断と分類にとどまり患者さんの治療に及ばぬことにあきたらず,自ら選んでリハの道に転じられ,昭和38年東大リハ部開設以来唯一の専任医師として発展につとめ,日本リハ医学会創設,P.T.,O.T.身分法の制定と試験委員,その最初の学校である清瀬リハ学院の教師,日本リハ医学会幹事,同理事,多年にわたる白書編集,教育,用語等多くの委員長や委員,リハ医専門医制度実現の推進,リハ交流セミナーの実行委員,また今年よりはRehabilitation Internationalへの日本代表等々の活躍のほか多くの研究論文,総説,著書の著作が示すように文字通り我が国リハビリ医学推進のダイナモである.今回の就任は当然であり遅きに失した感さえある.氏の名前は明治時代の文学者上田敏(海潮音の名訳詩集のある柳村)になぞらえて父上がつけられた由であるが,文学,演劇,美術を愛するロマンチストで,英,独,仏,露,エスペラントと語学の才も豊かである.
氏の今後ますますのご活躍を期待したい.
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