Japanese
English
講座 リハビリテーション医のためのリウマチ・膠原病入門(4)
若年性関節リウマチ
Rheumatism and Collagen Diseases. 4. Juvenile Rheumatoid Arthritis.
渡辺 言夫
1
Nobuo Watanabe
1
1杏林大学医学部小児科
1Department of Pediatrics, Kyorin University School of Medicine.
キーワード:
臨床像
,
治療・管理
Keyword:
臨床像
,
治療・管理
pp.309-313
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104527
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緒言
小児期に発病した慢性関節リウマチを若年性関節リウマチjuvenile rheumatoid arthritis(JRA)と呼んでいる.1896年にG.F.Stillが,全身症状がはげしく,脾腫,リンパ節腫脹,関節炎,発疹,発熱を伴うものがあることに注目して以来,JRAをStill病と呼ぶようになった.JRAの中にはStillの注目したような型のもの(急性発症型,Still型),成人の慢性関節リウマチに似て関節炎が主症状であるものも(成人型または多関節型),侵襲される関節が少ないもの(少関節型および単関節型)などがあるが,急性発症型をJRAと呼んだり,急性発症型をStill病と呼んだりすることもあって,名称は混乱している.「成人に発病した若年性関節リウマチ」という使い方は,「成人の慢性関節リウマチで,JRAのStill型のような症状を呈するもの」という方が正確である.
本疾患が次第に注目されてきたのは,患者が増加傾向にあるということもあるが,免疫学や免疫病理学の進歩によって病因解明への道を歩き出したこと,悪性腫瘍と並んで小児の難治疾患として社会的にも重視されてきたためであろう.厚生省でも,児童家庭局が主体となって1972年7月1日から7月31日の期間に,全国の主要病院の協力を得て,957の医療機関を選出し,同年1月1日から3月31日までの間の患児について調査を行った.筆者は,この調査の膠原病の部門を担当したが,膠原病(リウマチ熱を除く)657名のうち340名がJRAであった.全国のJRAの患児数はどのくらいが正確にはつかめていないが数千人であろうと考えられている.
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