特集 血流障害と消化管疾患
2 .虚血性腸病変(1)虚血性大腸炎
小林 広幸
1
,
蔵原 晃一
2
,
渕上 忠彦
2
1福岡山王病院消化器内科
2松山赤十字病院胃腸センター
キーワード:
虚血性大腸炎
,
分類
,
臨床像
,
画像診断
,
感染性大腸炎
Keyword:
虚血性大腸炎
,
分類
,
臨床像
,
画像診断
,
感染性大腸炎
pp.15-26
発行日 2018年12月20日
Published Date 2018/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000614
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虚血性腸病変の代表的な疾患である虚血性大腸炎の臨床的特徴について,一般的な重症度分類(一過性型,狭窄型,壊死型)を中心に概説した.一過性型と狭窄型の明確な基準はないが,治癒期に注腸X線で正常腸管腔の70%未満,内視鏡では挿入困難な管腔の狭小や変形を伴う場合は狭窄型とされる.本邦では一過性型がほとんどで,狭窄型は少なく,壊死型はまれである.一過性型は50〜60歳代に多く,狭窄型,壊死型となるにつれ高齢化し,誘因も腸管側因子から血管側因子が優位となる.急性期の注腸X線では腸管の浮腫と拇指圧痕像,内視鏡では粘膜の発赤,浮腫,出血,びらんや縦走潰瘍が特徴的である.一方,壊死型は粘膜下血腫様,暗赤色粘膜を呈し,緊急手術が必要である.なお,本症の病態別に見た亜分類(若年発症例,右側結腸炎型,再発例)の臨床的特徴にも触れ,類似の臨床像を呈し鑑別診断が必要な感染性腸炎について言及した.
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