Japanese
English
特集 リハビリテーション工学
WIMEハンド―その機構とフィールド・テストについて
WIME Hand: its Mechanism and Field Testing.
市川 洌
1
Kiyoshi Ichikawa
1
1東京都補装具研究所
1Tokyo Metropolitan Prosthetic and Orthotic Research Institute.
キーワード:
筋電義手
,
フィールド・テスト
Keyword:
筋電義手
,
フィールド・テスト
pp.285-289
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104522
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
わが国における前腕切断者用筋電義手の研究・開発は加藤らによるワセダハンドの研究に端を発している.1964年に始まったこの研究は1969年に前腕切断者用筋電制御電動義手として研究室内における装着実験に成功している.その後1973年から今仙電機㈱との協力のもとにこの義手の実用化,市販化に向けての開発が行なわれた.工学的な意味での開発が終了した時点で,実際に切断者にこの義手を装着し,総合的な評価を行なうことが計画された.この評価は新しいリハビリテーション機器を開発し,実用化するにあたり,その機器の工学的,医学的,心理・社会学的な総合評価を行ない,その結果にもとづいた機器の改良を行なって後に初めて実用化に価する機器として広く臨床的な使用を行なおうとするものである.このフィールド・テストは1975年から1977年にかけてエンジニア,医師,補装具士,O.T.,ケースワーカ,心理判定員などによる全国8機関の協力のもとに前腕切断者30名に義手を装着して行なわれた.このフィールド・テスト中およびテスト後において,評価結果にもとづく3回の改良が行なわれ,その結果WIMEハンドとして実用化に成功した.
ここでは,この前腕切断者用筋電制御電動義手のハードウェアを紹介するとともに,フィールド・テストの方法・結果について報告する.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.