巻頭カラー リハビリテーション科医が知っておくべき最新の義肢構成パーツ
11.最新の義手「ミケランジェロ」「bebionic」「i-Limb」
田中 洋平
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1JR東京総合病院リハビリテーション科
キーワード:
上肢切断
,
義手
,
筋電義手
,
多関節電動ハンド
,
高機能筋電義手
Keyword:
上肢切断
,
義手
,
筋電義手
,
多関節電動ハンド
,
高機能筋電義手
pp.341-345
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034040341
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多関節電動ハンドの筋電義手
筋電義手は電動モーターを力源とした対外力源式の義手である.断端の筋肉が収縮したときに発生する筋電信号を電動モーターに伝えることで,電動ハンドの開閉を制御する.これまでわが国で使用されてきた電動ハンドは母指,示指,中指の三指つまみしかできないマイオボックシリーズ(Ottobock社)が主流であったが,近年では多関節の電動ハンドであるミケランジェロ 1)やbebionic 2)(いずれもOttobock社),i-Limb Quantum(以下,i-Limb) 3)(Össur社)も厚生労働省に認可され,わが国でも手に入れられるようになった(図1).bebionicはマイオボックシリーズに含まれるものとして解説されることもあるが,ここでは読者の混乱を避けるために従来型のマイオボックとbebionicは別物として解説する.
これら多関節電動ハンドに共通する特徴は,マイオボックのような三指つまみだけでなく,指尖つまみ(tip pinch),側方つまみ(side pinch),筒状握り(cylindrical grip),ひっかけ握り(hook grip)等,さまざまなハンドの形が可能なことである.

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