Japanese
English
特集 痛みとリハビリテーション
痛みの測定
Measurements of Experimental Pain.
山本 光璋
1
,
中浜 博
1
Mitsuaki Yamamoto
1
,
Hiroshi Nakahama
1
1東北大学医学部脳疾患研究施設神経生理
1Division of Neurophysilogy, Institute of Brain Diseases, Tohoku University School of Medicine.
キーワード:
発痛装置
,
信号検知理論
Keyword:
発痛装置
,
信号検知理論
pp.693-699
発行日 1980年9月10日
Published Date 1980/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104383
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
痛みの測定に関しては,1953年に米国のHardy1)らが“痛みの感覚と反応”という題名の書物を発表し,痛みの定量的測定法の基礎をつくった.また最近はイタリアのProcacciら4)が実験痛に関する研究の総説を発表している.我国におけるこの方面の研究ははなはだ立ち遅れており,1967年に清原2)が“いたみの測定”と題する総説を書き,Hardyらによる研究成果等の解説をおこなっているが,それから10年以上を経た今日でもなお,大きな進歩はないといわざるを得ない.
しかしながら最近になって,中国におけるハリ麻酔の成功のニュースが一つの導火線となり,痛みの測定の問題の重要性が再認識され,痛みそのものの研究も活発におこなわれるようになってきた.本稿では,痛みの測定において一つの重要な方法である皮膚に対する発痛法について概観し,ついで,筆者らが試みている輻射熱を用いた発痛装置とその臨床応用の例について述べる.更に,最近話題になっている信号検知理論による痛みの定量化の問題について述べる.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.