Japanese
English
特集 脳のシンポジウム
主題:ニューロンをめぐつて
視床ニューロンの活動様式
Activity Pattern of Thalamic Neurons
中浜 博
2
,
西岡 伸子
1
,
大塚 俊郎
1
,
相川 貞男
2
Hiroshi Nakahama
2
,
Shinko Nishioka
1
,
Toshiro Otsuka
1
,
Sadao Aikawa
2
1慶応義塾大学医学部生理学教室
2慶応義塾大学医学部生理学教室;精神医学研究所
1Dept. of Physiology, School of Medicine, Keio University
2Dept. of Physiology, Schcol of Medicine, Keio University; and the Seishin-Igaku Institute
pp.72-76
発行日 1966年3月25日
Published Date 1966/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904265
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皮膚感覚をつかさどる神経で視床後腹側核を通る主な神経経路としては後索内側毛帯系とよばれる経路が知られている。すなわち同側の脊髄の後根から脊髄後索を経て延髄の後索核Dorsal Colurnn Nuclei(DCN)に終りそこでニューロンをかえ,内側毛帯Lemniscus Medialis(LM)を経て対側の視床後腹側核Ventrobasal Nuclei(VB)に終る。そこでまたニューロンをかえ,大脳皮質の感覚領野Sensory Cortex(SC)に終つている11)。次にSCからVBおよびDCNへの逆投射については,Nauta-Gygax法を用いた草間・川名4)−8)の研究により解剖学的にその存在が明らかにされた。このSCよりVBへの逆投射の生理学的意味づけは最初にOgden13),岩間・山木2)3)によりなされ,次いで島津・柳沢ら14)15)によつてなされた。島津・柳沢らは,ネコのVBニューロンは対応するSCからの錐体路線維の軸索側枝によつて促通効果をうけ,VBニューロンが発火するとそのインパルスは再び対応する皮質部位に達し,同時に皮質に向う軸索の側枝を介してその周辺部位のVBニューロンが抑制をうけるという結果を提出している。このように錐体路系の軸索側枝のVBニューロンに対する直接的なはたらきを島津・柳沢らは興奮的であるとしているのに対し,岩間・山本は抑制的であるとしている。
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