Japanese
English
特集 神経研究の方法論—その新らしいアプローチ
神経生理学と電子計算機
Neurophysiology and Electronic Computer
中浜 博
1
,
山本 光璋
1
,
石井 直宏
1
Hiroshi Nakahama
1
,
Mitsuaki Yamamoto
1
,
Naohiro Ishii
1
1東北大学医学部脳疾患研究施設神経生理学部門
1Department of Neurophysiology, Institute of Brain Diseases, Tohoku Univ., School of Med.
pp.467-486
発行日 1969年11月25日
Published Date 1969/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904620
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Ⅰ.緒言
アナログ型の磁気相関計にはじまりディジタル型の平均反応計算機(Average Response ComPuter;ARC−1)7),と呼ばれる電子計算機が神経生理学の分野に応用されてからすでに十数年がたつた。これは雑音に埋れた信号を検出する有力な方法として現在でもなお広く活用されているCAT(Computer of Average Transients)の原型である。当時としては,誘発反応の雑音成分を除去する装置として画期的なものであつた。その後この種の専用計算機は改良され広く研究室にいきわたるようになり,他方一般の汎用電子計算機の技術的進歩に伴い,今日では小型汎用電子計算機が神経生理学の実験室内に持込まれるようになつた39)。これにより加算平均操作といつた単純な計算ばかりでなく,数値計算,データ分析,シミュレーションなどの広範な使用目的にも用いられるようになつてきている。近い将来には大型の汎用計算機も専ら神経生理学の研究のために使用される時が来るであろう。このような時期において,電子計算機が神経生理学実験方法としてどのような意義をもつかを考えることは価値あることであろう。
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