焦点 人間—環境系の看護研究・2
解説
Working Environmentの看護研究
中島 美繪子
1,2
,
森本 兼曩
3
1富士通テン健康管理センター
2大阪大学医学部環境医学教室
3大阪大学医学部
pp.507-519
発行日 1991年10月31日
Published Date 1991/10/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900050
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はじめに
産業看護領域における国際交流の始まりであり,“Working Environment”(「労働環境」)の問題を我が国に最初に紹介するきっかけとなったのは,1969年に東京で開催された第16回国際労働衛生会議(ICOH)であった。その後,1973年スエーデンで開催されたICOHの産業看護委員会のセミナーのテーマが“Work Environment”(「労働環境」)1)であった。
さて,筆者に与えられたテーマは「Working Environmentの看護研究」であるが,まず“Working Environment”をどう理解するかが問題である。冒頭で紹介したように,“Working Environment”が1つのテーマとして取りあげられるようになってから20年経過しているが,その概念や内容について共通の理解があるとはいいがたい。そこでUNEP(United Nations Environment Programme,ストックホルム,19722)の基準によることとした。要約すれば,労働環境の問題は労働者が日々の仕事(daily task)をしている人間環境(human environment)に起因している。従って,身体的,心理的,社会経済的等種々の要因が関与している。
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