Japanese
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特集 リハビリテーション機器
聴覚言語障害に対するリハビリテーション機器
Speech Training Aids for Speech and Hearing Disorders.
山下 真司
1
,
柴田 貞雄
1
Shinji Yamashita
1
,
Sadao Shibata
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター
1National Rehabilitation Center for the Disabled.
キーワード:
聴覚言語障害
,
発声発語訓練
Keyword:
聴覚言語障害
,
発声発語訓練
pp.761-766
発行日 1979年10月10日
Published Date 1979/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104213
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はじめに
聴覚言語障害者のためのリハビリテーション機器の研究は,近代の音声科学の基礎的研究と同時に始められた.近代的な音声科学の発展は,電話の発明から出発しているが,その電話は,アレクサンダー・グラハム・ベルが聴覚障害者の発語訓練のために音声を視覚的に表示する際,電気を利用することを思いついたのがきっかけになって発明されたという.その後,音声を電流に変換し,伝送する電話の原理は,補聴器の発展に生かされている.また音声の音響分析的研究の端緒を開いたサウンド・スペクトルグラフも,はじめは聴覚障害者が視覚的に音声を受容するためのいわゆるビジブルスピーチとして開発されたという.この音声を周波数分析する方法は,その後,瞬時スペクトル分析の技術の上に,発語訓練のため音声のスペクトルパターン,またはホルマント周波数を視覚的にフィードバックする機器の開発に生かされてきた.
このように近代以降の音声科学と電子回路技術の発展は,聴覚言語障害者のリハビリテーション機器の開発と関係が深い.さらに最近では,聴覚言語障害者への臨床サービスの普及と聴覚言語障害学の発展とあいまって,より有効,適切なリハビリテーション機器の開発と普及への要求は次第に高まりつつある.
そこで本稿では,望まれる聴覚言語障害者へのリハビリテーション機器といった将来的な展望をふまえながら,現状の機器の紹介と問題点の指摘を行いたい.
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