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特集 リハビリテーションにおけるリスクとその対策
進行性筋ジストロフィー症のリハビリテーションにおけるリスクとその対策
Risk Factor dealing with Rehabilitation for the Patients with Muscular Dystrophy.
湊 治郎
1
,
無江 昭子
1
,
五十嵐 俊光
1
Jiro Minato
1
,
Akiko Mue
1
,
Toshimitsu Igarashi
1
1国立療養所西多賀病院
1National Nishitaga Hospital.
キーワード:
進行性筋ジストロフィー
,
死因
,
装具歩行訓練
Keyword:
進行性筋ジストロフィー
,
死因
,
装具歩行訓練
pp.355-359
発行日 1979年5月10日
Published Date 1979/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104153
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はじめに
現在,進行性筋ジストロフィー,特にデュシャンヌ型筋ジストロフィー(以下,DMPと略す)に対し,われわれは,有効な医療手段を持っていない.1960年代にアメリカのスペンサーが,長下肢装具を用いて,歩行期間の延長に成功して以来,DMPも積極的リハビリテーション医療の対象疾患の一つに数えられているが,疾病全体の経過から見ると,病気の進行を止めることも,遅延させることも,全くできていない.
したがって,DMPリハビリテーションにおけるリスクといっても,本当のところ,何がリスクであるか誰もわからないのが真実であろう.ただ,最近,DMPにおける心肺機能の障害についての研究が進むにつれて,これとリハビリテーション医療,特に機能訓練との関係の究明が重大な課題になってきている.
私たちの国立療養所西多賀病院では,昭和39年からDMP病棟が開設され,昭和53年末までに,リハビリテーション医療を含めて,さまざまな医療が行われたにもかかわらず76名のデュシャンヌ型死亡患者を出している.その中,56名に対し病理解剖が行われているので,本論文では,死亡DMP患者の臨床記録の中から,特にリハビリテーション医療と関係が深いと考えられる心肺機能に関わりのある事項を取りあげ,部検所見を参考にして,進行性筋ジストロフィーのリハビリテーションにおけるリスクについて考えてみた.
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