Japanese
English
特集 歩行障害Update
歩行障害と歩行関連障害
Gait Disorders and Disorders related to Human Gait.
窪田 俊夫
1
,
紅野 利幸
1
,
梶原 幸信
1
Toshio Kubota
1
,
Toshiyuki Kono
1
,
Yukinobu Kajiwara
1
1中伊豆リハビリテーションセンター
1Nakaizu Rehabilitation Center
キーワード:
歩行関連動作
,
バイオメカニクス
,
実用的動作
Keyword:
歩行関連動作
,
バイオメカニクス
,
実用的動作
pp.1019-1026
発行日 1998年11月10日
Published Date 1998/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108795
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はじめに
窪田1)は,歩行障害の概念の捉え方には,身体の機能面での障害と生活面における動作の障害との2つの視点があるとし,後者はリハビリテーションの立場からみて重要であるとしている.そして,「何らかの原因によって引き起こされた歩行能力の障害である客観的障害と,この能力の発現の過程で生じる歩行の困難さ,不自由さに関する主観的障害の2つの側面で歩行障害を捉えることとする」と述べている.ところで,このような生活面における動作としての歩行は,さまざまな移動動作のなかで単独に存在しているものではない.
このことに関して,高松2)は,歩行は純粋に分離して存在しているのではなく,姿勢変換運動,姿勢保持運動とともに渾然一体とした複合運動として存在していると述べている.
このような事柄を踏まえ,本小論では,まず日常生活動作や生活関連動作のなかで行われている移動動作を分析し,このなかでとくに歩行と密接な関連をもって行われる一連の動作群を歩行関連動作と名付けて,移動動作の分類における位置づけを示す.
次いで,この歩行関連動作について行われている生体工学的研究を概観した後,歩行関連動作を実施する能力の障害(以下,歩行関連障害と言う)に対するアプローチについて述べる.
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