巻頭言
養護学校義務制の実施と訪問指導
村田 茂
1
1国立特殊教育総合研究所肢体不自由教育研究室
pp.239
発行日 1978年4月10日
Published Date 1978/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103958
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周知のように昭和54年度から,養護学校教育の義務制が実施されることになっている.これによって,わが国の義務教育は,ひとまず制度的に完成することを意味する.養護学校教育義務制の実施を1年後に控え,収容力確保が不可欠であるので,今日,養護学校(建物)の整備が急務とされている.しかし,義務制の実施に当たって,容器としての養護学校の整備という面のみに力を注ぐのでは,万全とは言えないのはもちろんである.
義務制実施を契機として,障害児の障害や発達の様相,地域や生活の実態に応ずることのできるような多様な教育の形態や場を整備することこそ先決であると思われる.それには,器が先なのではなく,個々の障害児の教育的ニーズから出発して,それを満たすような教育形態や場を構想し整備するという基本方針の確立が前提となる.
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