整形外科philosophy
師の義務と弟子の義務
伊丹 康人
1
1財団法人日本股関節研究振興財団
pp.81-83
発行日 1996年1月25日
Published Date 1996/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901815
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●教えるものと教えられるもの
師だとか弟子だとか言うと,なるほどお前は古い,とすぐ言われそうである.しかし,考え方が古いとか,新しいという事が、人間の精神活動の正しいか正しくないか,もう少し掘り下げていえば,人間社会における真理と,どういうかかわりをもっているのか,と考えると,現代のマジョリティーの思想に迎合する事が,人間のあるべき姿の追求にはならない様に思う.
人間は知能ゼロからはじまって,親に教えられ先達に教えられ,互いに教え合って,知能は成長しつづけてゆくものである.人間として生きていく上に必要な,いろいろな事を,沢山教えてくれる人は師である.そして教えてもらう方は弟子である.この関係に古いも新しいもないわけである.
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