特集 障害児教育
<随想>
養護学校教育の課題
花熊 理子
1
1大阪府立豊中養護学校
pp.714
発行日 1984年10月15日
Published Date 1984/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103183
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障害児のための学校には,障害の種類に応じて,盲学校,聾学校および,精神薄弱,肢体不自由,病弱・虚弱の各養護学校があり,学校教育法施行令によってそれぞれ障害の程度が定められている.しかし,実際には完全に区別することが難しく,二つ以上の障害を併せもったり,あるいは,障害が重度であるため特別なとりくみを必要とする子どもが増えているのが現状である.精神薄弱の養護学校(学級)においても,機能障害を伴い歩行が困難な者,教育以前にまず生命の維持を考えねばならぬ者,末梢感覚器官は正常であるにも拘らず環境からの刺激を目的的,効果的に処理することができず,外界に対して過剰反応や無反応を示す者,など,従来のイメージとは大きく異なる重度障害・重複障害の子どもが,そのかなりの部分を占めるようになってきている.
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