巻頭言
宇宙工学とリハビリテーションの今後の研究
福井 圀彦
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢病院
pp.859-860
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103652
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火星の空が赤いとか青いとかが話題となっている.火星の表面は広漠とした,石ころがごろごろした荒野で,どうも生物はいないようである.頭でっかちの,たこのような生物がいないことが分かって,従来のわれわれの火星に対して抱いていた夢がくずれたような気がするが,それよりも最近の宇宙探索の手段に用いられている技術の進歩は,ただただ驚くほかない.
火星の気体に酸素があるか,水分はどうか,土壊中に有機物があるかなどの分析データは逐一地球に送られてきているが,これらはあらかじめ組みこまれたプログラムとして想像に難くないが,ユートピア平原に降りようとしたバイキング2号が着陸の際の衝撃かなんかで主送信アンテナが壊れたのを,修理したとの記事が出ていたのには少々驚いた.修理の内容がどの程度のものかは分からないが,地球からのリモートコントロールでよくできるものだと,今さらながら宇宙科学分野の目ざましい進歩に驚嘆した次第である.
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