Japanese
English
研究と報告
Air Cushion Socketを有する各種下腿義足の生体力学的分析
Dynamic Analysis of BK-Prostheses with Air Cushion Socket.
土肥 信之
1
Nobuyuki Dohi
1
1岡山大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Okayama University.
キーワード:
Air Cushion Socket
,
クッション圧
,
軟ソケット
Keyword:
Air Cushion Socket
,
クッション圧
,
軟ソケット
pp.911-918
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103664
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.緒言
近年下腿義足の進歩はめざましく,特にPTB型義足の出現は,従来型の下腿義足に必要であった重い大腿コルセットを必要としない点,またソケットを全面接着型とすることにより,断端の浮腫を予防する点で優れたものであり,現在まで多くの切断者に広く利用されてきている.しかしながら,断端の形の不良なもの,特に脛骨や腓骨の突出せる症例では断端の適合は必ずしも容易でなく,皮膚の損傷や局所の浮腫をきたすことがある.最近でもMeierらは断端とソケットの適合性を調べるため,染料を含むマイクロカプセル,レントゲン,pressure Transducerを併用することが断端の適合,不適合を知るのに良い方法であると発表しているが,その解決は困難な問題である.
1968年Wilsonらは,間歇的な断端とソケット間の圧の変化,ならびに断端に対する圧の均等な分散が,断端の局所浮腫の予防の最も有効な手段である点に注目し,air cushion socketを有するPTB型下腿義足を発表した.その原理はソケットの下半部を柔軟性のあるシリコンゴムで作成し,さらにシリコンゴム下部および周囲に密閉された空気層(sealed-in air volume)をつくることにより良好な断端ソケットの適合と,密閉された空気層の生ずる圧力(cushion圧)による局所浮腫予防効果という点ですぐれたものであった.(図1)
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.