Japanese
English
特集 聴覚障害者のリハビリテーション
聴覚障害をもつ乳幼児の言語発達
Speech Development in the Very Young Child with Hearing Impairment.
村井 潤一
1
Junichi Murai
1
1大阪教育大学
1Osaka University of Education.
キーワード:
聴覚障害乳幼児
,
言語発達
,
教育
,
環境
Keyword:
聴覚障害乳幼児
,
言語発達
,
教育
,
環境
pp.707-712
発行日 1976年9月10日
Published Date 1976/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103620
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はじめに
聴覚障害をもつ乳幼児の言語発達を一般的に問題にすることは困難である.彼らの言語発達は,聴覚の損傷の程度によっても,当然影響をうけるであろう.しかも,発達初期に正確に彼らの聴力を測定することは,技術的にもかなり困難である.たとえ技術的に可能であっても,現実的に彼らが聴覚障害をもつかどうかを診断するために,聴力検査を受診する機会をもつことは,きわめて少ないといえる.また聴覚障害児を重度の全ろうに近い子どもに限ってみても,彼らに対する取り扱い方によっては,言語発達の様相は大きくかわるといわなければならない.たとえば,最近のいくつかの研究では,教育方法によって,聴覚障害乳幼児の獲得する語彙数が,きわめて大きな変化を示すことが明らかにされている.ゆえにここでは聴覚障害をもつ乳幼児の言語発達について,彼をとりまく環境的変化(教育的刺激を含む)を常に考慮にいれながら,その特徴を明らかにしていくことにする.
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