Japanese
English
特集 聴覚障害者のリハビリテーション
聴覚障害の原因,治療と聴覚障害者の対策
Etiologies and Treatment of Hearing Loss: How to Handle Hearing Impaired Patients.
船坂 宗太郎
1
Sotaro Funasaka
1
1東京大学医学部付属分院耳鼻咽喉科
1Department of Otolaryngology, Branch Hospital, University of Tokyo.
キーワード:
難聴の程度・性質
,
難聴の原因
,
難聴の治療
,
補聴器
,
難聴幼児の対策
Keyword:
難聴の程度・性質
,
難聴の原因
,
難聴の治療
,
補聴器
,
難聴幼児の対策
pp.689-698
発行日 1976年9月10日
Published Date 1976/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103618
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はじめに
ここでは聴覚障害を難聴と規定して話をすすめることにする.難聴者は人間に必要なコミュニケーションの手段を失うので,その影響はきわめて大きい.聴力喪失が単に聴くことの損失のみにとどまらず,情動や性格をまで変化させることは日常よく経験することである.
一方,難聴に対する研究は,基礎,臨床を問わず近年きわめて多彩な展開をみせた.たとえば,内耳障害の形態および機能学的研究,難聴の検査法,そして聴力改善手術などである.しかし,克服できていない困難な問題のあることもまた事実であって,たとえば感音難聴の治療,予防,難聴幼児に対する詳細,正確な聴覚検査などはこの例である.
以上をふまえて,本項では難聴の説明とその処置を記述し,同時に現時点での医療の限界を示し,あわせてハビリテーション,リハビリテーションにあたる方々の役割を述べることとした.もとより耳科学,聴覚学を概括することは著者の能力を越えており,また紙数も限られている.しかし,なんらかの参考となり,問題提起ともなれば著者のもっとも幸いとするところである.
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