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昭和49年3月に岡山大学を卒業してはや2年が来ようとしています.現在,私は倉敷にある川崎医大リハビリテーション科で,明石謙先生の下でレジデントとして修練中です.リハビリにはわずか5ベッドしか与えられておりませんが,入院患者を持つということはなかなかたいへんなことです.内科的疾患をはじめ多くの合併症を伴うことが多いため,その全身管理を調整するには,他科のコンサルタントが欠かせません.その反対に,あらゆる他科の外来受診者があり,中でも神経系統疾患や整形外科の術後の患者などが,やはりその多くを占めています.
私がリハビリテーションを専門としようと決めた時,同期生たちは,どうしてそんなめずらしい科を専攻する気になったのかといぶかしがったものです.実際,当時卒後の研修課程もはっきりせず,科の内容が未知である点は否定できませんでした.明石先生にリハを専門にやってみようと思うが……と相談に行って,そのことで,先生がいろいろとお骨折り下さらねば,決意したかどうか分からないというのが正直なところです.私は1年間,岡大の整形外科に籍を置き,慣れぬ手つきで鉤ひきなどさせて頂き,いい勉強になったと思っています,もちろん1年では整形外科のセの字もマスターできてはいませんが,もしこれからも機会があれば,手術もやっていきたいと思います.痙性麻痺によってひきおこされる足関節拘縮に対してアキレス腱延長術がよく行われますが,これなどはぜひマスターしたい手術法の1つです.明石先生がEMGに興味を持っていらっしゃることもあり,これまでにいろんな症例を経験させていただきました.先日,最新式の筋電計が入り,今,はりきっているところでもあります.
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