特集 脳性麻痺の治療とその限界
座談会 脳性麻痺者の実態と問題点―昭和50年10月7日,於医学書院
五味 重春
1
,
山崎 功
2
,
高橋 孝文
3
,
田村 春雄
4
,
手塚 直樹
5
,
小池 文英
6
1東京都立府中リハビリテーション学院
2東京都立江戸川養護学校
3宮城県整肢拓桃園
4大阪府立身体障害者福祉センター
5日本理化学工業株式会社
6整肢療護園
pp.43-52
発行日 1976年1月10日
Published Date 1976/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103464
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はじめに
小池 脳性麻痺のリハビリテーションは非常にむずかしい問題であることは申すまでもないところで,とくに成人CPの社会的,職業的自立ということになりますと,これは非常にむずかしい問題で,あえて日本ばかりではなく,世界的にも周知の事実となっておるわけで,問題点が多々あるところでございます.
最近はCPの超早期療法というようなことが強調されまして,Bobath法,Vojta法などが日本でも用いられるようになってきて,たいへん結溝なことだと思います.たとえば,Vojtaによりますと,0歳児から始めると大部分のCPは治ってしまうんだ,というような説すらもあります.これはいささか極端で,超早期療法の効果が果してどの程度のものかまだ未定であろうかとは思いますけれども,超早期療法が日本でも最近取り入れられておりますから,いずれ将来は成人CPの実態というものも変わって,だいぶ改善されるような時代もくるかもしれないと思います.しかし,少なくとも現時点における実態というものは相当険しいものがある,ということは周知の事実であります.
そこで今日は,とくに脳性麻痺者の実態がどんなふうになっているか,というようなところに重点を置きまして,先生方からいろいろとお話をうかがわせていただきたいと思います.
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