特集 成人脳性麻痺
座談会/脳性麻痺者の就労―1988.6.25,医学書院にて
小川 孟
1
,
五味 重春
2
,
手塚 直樹
3
,
春田 文夫
4
,
伊方 博義
5
1横浜市総合リハビリセンター
2東京都立医療技術短期大学
3日本障害者雇用促進協会
4東京都心身障害者福祉センター
5太陽の家
pp.699-706
発行日 1988年9月10日
Published Date 1988/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105918
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
小川(司会) 今日はお忙しい中をお集まり下さいましてありがとうございます.早速お話しを始めていただきたいと思いますが,私は最近,脳性麻痺という障害を主題に論じたものを一時期ほど見掛けなくなったように思いますがいかがでしょうか.問題の難しさに対して,これといった決め手が見出せないからでしょうか.働く場面から見れば,言語障害の有無,歩行の可否,知的障害の有無といった個々の障害が問題なのであって,「脳性麻痺」と一括して論じるのは適当でないと思います.しかし,肢体不自由養護学校の実態は,トータルに重度な脳性麻痺者が大部分で,就職をめざすことができるような生徒はきわめてまれだということも聞いております.
そういう意味では今日のテーマである「脳性麻痺者の就労」は,まさに古くて新しい課題だと思います.それではまず五味先生から,特に医学の分野では今脳性麻痺というのはどのようになっているのか,そのあたりお話をしていただきたいと思います.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.