Japanese
English
特集 失行症・失認症
失行症・失認症と左右大脳半球
Apraxia and Agnosia in Relation to the Involved Side of Hemisphere.
福井 圀彦
1
Kunihiko Fukui
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢病院
1Kanagawa-ken Rehabilitation Center, Nanasawa Hospital.
キーワード:
半球機能の左右差
,
言語性障害
,
非言語性障害
,
男女差
,
年齢差
Keyword:
半球機能の左右差
,
言語性障害
,
非言語性障害
,
男女差
,
年齢差
pp.895-902
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103428
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はじめに
失語症については,まだ多くの問題を残しながらも,脳内における神経生理学的・病理学的機構がしだいに明らかになりつつあるし,その分類や評価法についても新しい考えかたが採用され,またリハビリテーションについても平行して徐々に業績が積み重ねられつつあるといえよう.しかし,失行,失認については,約100年の歴史的背景をもちながら―Asymbolia(Finkelnburg,1870),Imperception(Jackson,1876),Agnosia(Freud,1891)などの呼称が用いられてきた―臨床症状,分類,病理などの検討にとどまっており,評価法についてすら,はなはだ低いレベルに低迷しているといわざるを得ない.
そのリハビリテーションに至っては,CVA,脳外傷,脳腫瘍手術後などに,失行,失認がどのような障害因子になるかという検討が主であり,ごく最近になって,リハビリテーションそのものに関心が向けられてきた段階であり,諸外国においてもその点は大同小異である.
しかし,第二次世界戦争における脳の弾創によるいろいろの症状,またてんかん,腫瘍などにたいするHemispherectomy,Commisurotomy,Bisected brainなど6,7,13)の研究が失行,失認に新しい知見を加えたことは確かであり,また失語症に随伴的にみられる非言語領域の検討も,同様に失行,失認にやや異なった観点を与えているといえよう.
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