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J.J. Jenkins, E. Jimenez-Pabon, R.E. Shaw, & J.W. Sefer: Schuell's Aphasia in Adults-Diagnosis, Prognosis, and Treatment
笹沼 澄子
1
1東京都老人総合研究所言語聴覚研究室
pp.505
発行日 1975年6月10日
Published Date 1975/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103363
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この書は,失語症の臨床と研究の両面にわたる不朽の貢献を残して1970年に逝った故Hildred Schuell博士の“弟子”たちによってまとめられたものであり,1964年に彼女の業績の集大成として出版されたAphasia in Adults: Diagnosis,Prognosis and Treatment(笹沼・永江訳:成人の失語症―診断,予後,治療,1971)の第2版にあたる.
著者たちがその序で述べているように,今回の改訂の指針となったのは,Schuell自身が生前すでに企画していた第2版の構想ならびに将来の研究計画第1版の完成後10年間に蓄積された研究成果や臨床観察に基づく知見などであった.したがって,失語症というものに対する基本的な考え方やそれに基づく臨床的アプローチの原則は,第1版のそれを忠実に継承したかたちになっている.しかし,この版の読者層を,失語症研究を志す若い学徒にしぼったこともあって,内容の構成や表現の面で一段と工夫がこらされ,全体として初版に比べてかなり読みやすくなっている.
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