書評
—E.B. Streiff J. Dichgans E. Bizzi 編—Cerebral Control of Eye Movements and Motion Perception
伊藤 正男
1
1東大生理
pp.259
発行日 1974年2月1日
Published Date 1974/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203507
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本書は1971年7月,国際生理科学連合会議の衛星シンポジウムとしてフライブルグで行なわれた会の報告をまとめたものである。本書の冒頭にはシンポジウムの主催者Jung教授による,眼球運動の記録と視覚前庭覚の研究に関する歴史的な叙述がある。短い文であるが,約70年前に始められた眼球運動の研究がどのように発展してきたか,そしてJung教授自身がどのようにこの問題に魅かれ,自ら足を踏み入れるようになつたかの経過が興味深く描かれている。
本書で扱われているのは次の3つである。第1に眼球運動中における視野の安定性と時間空間における網膜像の系列の知覚的連続性,第2に,つぎっぎにおこる視覚情報を選択し,時間をはかり,転移させ,打消すサッカデックの機能,第3に眼球運動と体性運動機能との関係である。これらの問題について一編10頁程度の論文が37本納められて居り,その主な所をあげると次の如くである。
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