書評
—W. S. Fields & J. Moossy 編—Stroke ; Diagnosis and Management
亀山 正邦
1
1東京都養育院付属病院
pp.332
発行日 1975年3月1日
Published Date 1975/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203683
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- 文献概要
この本は,Houstonで行なわれた神経学シンポジウムのproceedingsである。アメリカにおける著明な神経学者,脳卒中専門家の集まりといつてもよい。
Fieldsはその序文の中で,つぎのように述べている。「医師の中には,脳卒中の治療に対して悲観的な態度が行きわたつている。しかしこれは疑いもなく,各種の状態の脳卒中の診断や処置に関する最近の進歩について,実地医家が知識をもつていない,という事実によるものである。」この書の目的は,脳卒中診療の技術やその応用法に関する情報を広く普及することにある。そして,診療所から病院にいたるまで,広く利用できるような内容を盛りこんでいる。脳卒中を処置する最善の方法が,その予防にあることはいうまでもない。個人の診療所や,大きなクリニックで,脳卒中を起こしやすい人をscreenしたり,その発症を防ぐための方法に,とくに力が注がれている。「しかし,脳卒中の成因や,そのrisk factorsに関しては,なお多くの知識のgapがある。……この書は,患者の治療.careに用いられる各種の方法について,概観を与えることにある。この概観をうることによつて実地医家は,目前の患者にどの方法をとることがより適しているかを知るようになるであろう。
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