Japanese
English
特集 四肢麻痺のリハビリテーション
頸髄損傷に対する保存的療法とその限界
Conservative Aspects of Treatment of Traumatic Tetraplegia.
井形 高明
1,2
Takaaki Ikata
1,2
1徳島大学
2小松島赤十字病院整形外科
1Tokushima University Medical School
2Dept. of Orthopedic Surgery, Komatsushima Red Cross Hospital.
キーワード:
骨傷修復
,
脊髄保護
,
脊髄循環障害
,
寝返りベッド
,
Rocking plaster shell
Keyword:
骨傷修復
,
脊髄保護
,
脊髄循環障害
,
寝返りベッド
,
Rocking plaster shell
pp.523-528
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103168
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はじめに
周知の通り頸髄が損傷を被ると四肢に麻痺を来たすのみでなく生命の危機を伴う.しかも受傷当初ではこれらの障害が加重される恐れがある.従って頸髄の損傷に対しては脊髄保護に徹し二次的損傷拡大を防止することが治療の前提となる.その上で損傷された脊髄,脊椎を処置し,又同時に褥創や尿路感染症など合併症の予防を両立させなげればならない.かかる観点に立ってわれわれは頸髄損傷治療方式を開発した.第一線救護には特有の脊損担架を用い,その頸椎固定装置により運搬中の安全を図った.初期治療に於いては電動式寝返りベッド,さらにはRocking plaster shellを応用し,所期の目的に解決を与えた.1961年以来私共が取扱った頸髄損傷患者は69例(徳島大学整形外科38例,小松島日赤31例)である.新鮮54例はそのほとんどが第一線救護の段階よりこの治療方式に沿って処置したものであり,症例の経過を詳細に追求することができた.今日はかかる経験に基づいて頸髄損傷に対する保存的療法を再検討し,今後における治療の効果向上に寄与せんとした.
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