ひと
福祉行政を先取りする都政の要―東京都民生局長 縫田曄子(ぬいた・ようこ)氏
荻島 秀男
1
1都養育院
pp.502
発行日 1974年6月10日
Published Date 1974/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103161
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重要ポスト民間よりの起用として美濃部都政のもと,NHKで9年間解説委員特に福祉問題に鋭いメスを入れてこられた縫田曄子氏が,都民の期待を背負って民生局長に就任されて3年を経た.49年度の東京都民生局執行予算は921億円で,女性行政官の管轄予算としては間違いいなくわが国最高額であろう.都が国に先がけてうち出したいろいろな医療福祉政策が国に対して“ひきがね”になっていることは慶ばしいが,それがわが国の福祉の現状だとすれば悲しいことだといわれる.
お叱りを受けるかもしれないが,これほどのポストにおられる方としては女史タイプではなく,非常に女性らしさと洗練されたチャームにつつまれた局長である.社会福祉従事職員(官公,民間を問わず)の質と量の充実とともに職員の福利厚生の向上を今後車の両輪として進めたいとのお考えで,最も重要なことは職員および社会が向上に目覚め努力することだといわれる.新宿副都心に都が大きな構想を画いている新ビルの中に,これらの目的がある程度のレベルまで達成され得る施設が含まれるよう働きかけを続けると,力強いお言葉で熱意を示しておられる.お伺いした時も,山積みの問題でご多忙の局長であった.今後ますますのご活躍をお祈りする次第である.
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