Japanese
English
総説
片麻痺の上肢(1)
Upper extremity of hemiplegia (Series 1).
福井 圀彦
1
Kunihiko Fukui
1
1神奈川県老人福祉事業団七沢病院
1Nanasawa Hospital, Institute of Rehabilitation and Geriatrics Research.
キーワード:
関節障害
,
末梢神経麻痺
,
脱共同運動
,
上肢機能判定基準
,
フェノールブロック
Keyword:
関節障害
,
末梢神経麻痺
,
脱共同運動
,
上肢機能判定基準
,
フェノールブロック
pp.183-188
発行日 1973年2月10日
Published Date 1973/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102869
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【抄録】 片麻痺下肢は健側との協力動作が多く,装具使用により回復を上回るADLを期待できる場合が少なくないが,上肢は左右別の動作や,巧緻性を要求されるのでそのようなわけにはゆかない.上肢の回復は病巣部位,拡がり,副行路形成などにより宿命的に決まってしまうものである.したがって,主要なポイントは,関節の障害,ROMの制限,肩手症候群,その他の変形などの予防,治療に置かれることが多くなるが,見逃がされやすい二次的末梢神経障害にたいする配慮も大切である.
共同運動から脱し得る上肢については分離を促進するとともに逆共同パターンの組合せが効果的である.上肢機能判定基準としてはBrunnstromのstageに知覚障害,振戦,失調,ROMなどを考慮し,左右の基準に差をつけるべきである.フェノールブロックで機能改善を意図する場合には,ブロックによる筋力低下の分布を予測すべきであり,観血的再建術についても痙性,筋力のバランスなどに今後の課題が残されている.
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