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編集後記
鹿
pp.1014
発行日 2006年10月10日
Published Date 2006/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102839
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CBTやOSCE,新医師臨床研修等の眼目は,「将来の進路は別にして,まずは基本的な臨床能力を身につけた医師をつくる」こと.医師の臨床能力向上のために行われたこれらの施策が,一方では地方の病院の臨床能力を破壊させてもいます.老親のいる田舎でも,医師の引き上げで基本診療科まで縮小され,別の病院に移ってくれと言われたと嘆いています.社会的要請で始まった教育改革が一時的とはいえ社会的問題を引き起こしている構図になります.「日本摂食・嚥下リハ学会」が先月あり,摂食・嚥下リハの教育をめぐってシンポジウムが行われました.この領域はリハ科医,ST,PT,OT,耳鼻咽喉科医,歯科医,歯科衛生士,看護師,管理栄養士,その他,多職種が関わる学会ですが,数年後を目途に認定制度を発足させるそうです.さまざまな職種が関連しているだけにどのような認定制度にするのか大変そうですが,討議のなかで,「われわれはいつもうまく協業できているのに,そこに医師が入ってくるとうまくいかなくなるのは何故?」というフロアの発言に,思わず笑い.
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