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編集後記
鹿
pp.902
発行日 2003年9月10日
Published Date 2003/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102712
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来年度から国立大学が法人化され,文科省の内部組織機関ではなくなります.法人化後は文科省から交付金として出る運営費は自由に使え,債券発行や借金もでき,企業と同じ会計方式が導入されます.そしてお金を自由に使える分,市場競争も激しくなって経営努力をしなければ倒産もあります.学長は会社の社長同様に経営手腕が求められ,職員もこれからは公務員ではなくなるからお役所仕事もできなくなります.片や銀行など金融機関はこの不況の折,企業がだめなら学校だとばかりに,今回の法人化をビッグビジネスチャンスだとして資金運用や資産管理など経営を支援する業務に乗り出そうとしているそうです.こうなると「学問の自由」とか「大学の自治」という昔輝かしかったことばも空しく響きます.「文化」までもが市場原理で右往左往し,効率化によって評価される時代なんですね.しかし「無用の用」,「無駄の効用」という言葉もあります.さあ明日から夏休みだ.なあんにもしないでボーッとして無駄に過ごそうっと.
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