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編集後記
鹿
pp.1516
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101149
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11月になって木枯らしが吹きやっと冬らしくなったが,近頃は温暖化で四季の変化がずいぶんあいまいになり,季語も実感からどんどん離れてきているという.旧暦と新暦は知っているが,もう一つ暦があることは知らなかった.太陰暦の1年,12か月は地球の公転周期よりも約10日短いので,間に閏月を入れて1年を太陽暦の1年に近づけた暦が旧暦で,正確には「太陰太陽暦」と言い,これが明治の改暦で太陽暦,現在の新暦に変わった.この旧暦,太陰太陽暦は新月(月の欠けてしまった闇夜)を基準にしたが,これとは別に明るい満月を節目とした暦で,太古の,未だ文字をもたない日本列島の人々の間で使われていた「記録されない暦」があり,こちらは7世紀に新月を基準とする旧暦が中国から伝えられるまで続いていたという.小正月,お盆,仲秋の名月はもともとこの満月の行事なのだそうだ(長谷川櫂「俳句的生活」).季節は巡り,今年の最終号を出す時期になった.「総目次」をまとめながら,増大号などもあって,なかなか充実した「総合リハ」35巻だったと一人悦に入る.
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