書評
Marjolijn Ketelaar著,今川忠男 監訳「脳性まひ児と両親のための機能的治療アプローチ」
福井 勉
1
1昭和大学保健医療学部
pp.892
発行日 2004年9月10日
Published Date 2004/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102750
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本著の内容から想像される対象は,小児分野を専門としてきたセラピストのみならず,私のような門外漢やフレッシュな方々にも理解ができるように書かれている.原著者は若くエネルギーがあり,さらに理論が明確で妥協をしない人柄なのではないかと感じられた.
本著では,エビデンスを詳らかにすることで機能的評価と治療介入の妥当性を論じている.脳性まひに対するさまざまな評価方法についてのレビュー,PEDIの紹介から始まり,治療介入プログラムへの両親の参加意義について論じられている.従来の神経生理学的アプローチの問題点,その根拠となる中枢神経の成熟についての解説は歴史的背景を踏まえた今日的視点と捉えられた.さらに治療的介入を如何に有効にするか悩んできた小児分野セラピストの汗の結晶とも感じられた.
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