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講座 失語症とリハビリテーション・第4回
失語症者への環境整備および社会参加支援―当事者団体として望むこと
Wish for all the people by support group.
八島 三男
1
,
園田 尚美
1
Mitsuo Yashima
1
,
Naomi Sonoda
1
1全国失語症友の会
1Japan Aphasia Peer Circles
キーワード:
失語症
,
家族
,
コミュニケーション
Keyword:
失語症
,
家族
,
コミュニケーション
pp.1207-1212
発行日 2012年9月10日
Published Date 2012/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102662
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現在推定52万人余と言われる失語症者は,話すこと,書くこと,計算すること,話を聞いて理解することなどのあらゆるコミュニケーション手段に障害があるため,社会参加の機会を奪われている.目にみえない障害なので,発症した者にしかその苦しみは理解できない.家族,友人,知人,職場仲間など,病前には心を打ち溶け合っていた人々とのあらゆるコミュニケーションが困難になる.コミュニケーションの手段なくしては日常生活を送ることはできない.聴き取りの障害があることから,周りの人と同じ時間・空間を共有することもできない.「失語症」がどんな障害であるのか,社会全体にほとんど知られていないので,発病後,身体の健康は取り戻せても,復職や復学をすることが極めて困難になっている.言葉が通じないことから,精神の障害などと間違われ,人としての尊厳を奪われた状態におかれることも珍しくない.まず,失語症に関する正しい理解が社会全体に広まること,そしてどのような援助があれば,社会参加ができるかという正しい知識をもつことで,失語症者の社会参加が進み,失語症者とその家族の苦しみが少しでも軽減できる.そのために,NPO法人全国失語症友の会連合会(以後・連合会)は,啓発活動を展開している.
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