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講座 医療安全・リスクマネジメント・第3回
リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン
Clinical guideline of safety management and risk management in rehabilitation medicine.
前田 眞治
1
Masaharu Maeda
1
1国際医療福祉大学大学院リハビリテーション学分野
1Department of Rehabilitation, International University of Health and Welfare, Graduate School
キーワード:
医療安全
,
リスクマネジメント
,
ガイドライン
,
中止基準
Keyword:
医療安全
,
リスクマネジメント
,
ガイドライン
,
中止基準
pp.1425-1433
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105730
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はじめに
医療の発展とともに医療を安全に効率よく行うことが求められ,リスクマネジメントへの取り組みが体系的かつ積極的になされてきている.そのなかでリハビリテーション部門においては,早期リハビリテーションの推進,内部障害や高齢者の増加による多様な合併症を伴うハイリスク患者に対し,医療事故防止のためのリスク管理と体制作りが重要視されてきている.日本リハビリテーション医学会安全管理・推進のためのガイドライン策定委員会と日本理学療法士協会,日本作業療法士協会,日本言語聴覚士協会,日本リハビリテーション看護協会,日本義肢装具学会のリハビリテーション関連団体が合同で,リハビリテーション・チームとしての立場から,リハビリテーション医療が安全かつ効率的に行われるためのシステムを構築するために安全管理マニュアルの策定を2006年に行った.その後の日本リハビリテーション医学会診療ガイドライン委員会を含め上記の6団体で普及拡大を行っている.今回はその一環として,そのガイドラインを中心に解説する.詳細についてはガイドライン1)を参照していただきたい.
このガイドラインの目的とするところは,インシデントやアクシデントはリハビリテーションのようなハイリスク患者の医療を中心に行っている部門では必ず起こる可能性のあるものであるということを念頭に,インシデントやアクシデントを集積・分析し,医療事故・過誤の発生を少なくするよう努力することである2).また,医療事故・過誤が発生した場合にも体系的に危急に対応できるシステムの構築が必要不可欠である3).これらの体制づくりが,医療の質を確保しながら組織を損失から守ることにつながるのである.
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