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実践講座 ケースレポート—脳損傷の在宅リハビリテーション・3
失語症—失語症者に対する訪問リハビリテーションの役割
The role of home visit rehabilitation for aphasia patients
荏原 幸恵
1
,
沖田 啓子
2
,
岡本 隆嗣
1,3
Yukie Ebara
1
,
Keiko Okita
2
,
Takatsugu Okamoto
1,3
1西広島リハビリテーション病院訪問リハビリステーション
2広島国際大学リハビリテーション学部
3西広島リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Department of Home visit Rehabilitation, Nishi-Hiroshima Rehabilitation Hospital
2Department of Rehabilitation, Hiroshima International University
3Department of Rehabilitation Medicine, Nishi-Hiroshima Rehabilitation Hospital
キーワード:
失語症
,
理解
,
家族
,
コミュニケーション
,
言語聴覚士
Keyword:
失語症
,
理解
,
家族
,
コミュニケーション
,
言語聴覚士
pp.255-260
発行日 2020年3月10日
Published Date 2020/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201900
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はじめに
失語症は外見からはわかりにくく,広義の高次脳機能障害の1つである.例えば,「聞こえているのに人の話が理解できない」,「声が出るのに言いたいことが言えない」などの症状は,一番身近な家族であっても理解しづらい.ましてや,周囲の人が理解するには,相当の時間がかかる.一方で,失語症者本人も,多くの場合,自分の失語症がどんな症状なのか,なぜ失語症になったのか,これからどうなるのか,ということを理解できないまま退院している.
失語症の訪問リハビリテーションにおいて,言語機能のみの改善を目指していては,実生活におけるコミュニケーション能力は改善されない.実生活で困っていることを具体的に確認しつつ,失語症者と家族の失語症に対する理解を深める支援ができることは,訪問リハビリテーションの大きな役割である.
本稿では事例を通じ,失語症者や家族の変化,それらに対する訪問リハビリテーションの役割について紹介する.
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