Japanese
English
講座 失語症とリハビリテーション・第2回
最新のアプローチ
Recent approaches in rehabilitation of aphasia.
立石 雅子
1
Masako Tateishi
1
1目白大学保健医療学部言語聴覚学科
1Department of Speech, Language and Healing Therapy, Faculty of Health Sciences, Mejiro University
キーワード:
失語症
,
言語リハビリテーション
Keyword:
失語症
,
言語リハビリテーション
pp.993-998
発行日 2012年7月10日
Published Date 2012/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102593
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失語症に対する言語リハビリテーションの歴史
失語症に対してどのようなリハビリテーションが行われているか,最新のアプローチを含め概観する.それに先立ち,失語症に関する言語治療の歴史的流れを振り返っておく.
Brocaをはじめとする多くの研究者によって19世紀の半ばに大脳局在論が成立した.機能が回復するという事実を説明するために,局在論的な立場からは機能の代償,再構成など,また全体論的な立場からは抑制作用の解除など,さまざまな立場に立つ仮説がたてられた.これらの仮説のなかには,現在にも引き継がれているものがある.失語症に対するリハビリテーションは機能の改善を目的として,20世紀半ばに本格的に開始された.その背景には脳損傷により障害された大脳機能が回復することがあると多くの研究者により示されたことがある.機能が回復するという事実を説明する仮説として,局在論的な立場からは機能の代償,再構成などがあり,一方,全体論的な立場からは抑制作用の解除という考え方などがある.Rosner1)によれば,これらの考え方は再構成あるいは再編成という仮説と再建という仮説とにまとめることができる.
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