Japanese
English
実践講座 がんのリハビリテーションにおけるリスク管理・第1回【新連載】
現状と課題
Risk management in rehabilitation for cancer patients:current status issues.
田沼 明
1
Akira Tanuma
1
1静岡県立静岡がんセンターリハビリテーション科
1Division of Rehabilitation Medicine, Shizuoka Cancer Center
キーワード:
がん
,
リスク管理
Keyword:
がん
,
リスク管理
pp.873-877
発行日 2012年6月10日
Published Date 2012/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102557
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
超高齢社会に突入した現在,わが国における悪性腫瘍(以下,がん)患者数は年々増加している.一方,医療技術の進歩によってがんの死亡率は減少傾向にある.このような「がんと共存する」時代において,がん患者に対するリハビリテーションの必要性が増している.
2006年に制定されたがん対策基本法に基づいて策定されたがん対策推進基本計画には,「がん患者に対するリハビリテーション等について積極的に取り組んでいく」と明記されており1),がん対策の一環としてリハビリテーションを重視している姿勢がうかがえる.また,2010年からは「がん患者リハビリテーション料」が算定できるようになり,診療報酬面からもこれを推進しているものと思われる.
しかし,がんのリハビリテーションが各病院で十分に浸透しているかといえば,まだそこまで至っていないものと考えられる.がんのリハビリテーションの普及を妨げる要因のひとつとしてリスク管理が挙げられるのではないだろうか.他の疾患でも当然リスク管理は必要だが,がんの場合には疾患に特有のリスクを把握したうえでリハビリテーションを進めていくことが特に重要である.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.