特集 病院経営から考える医薬分業
保険薬局の役割と病院との連携
薬局機能分化の現状と専門医療機関連携薬局の役割
月岡 良太
1
1株式会社アインホールディングス 医薬運営統括本部 医療連携学術部
キーワード:
保険薬局
,
専門医療機関連携薬局
,
がん
,
情報連携
Keyword:
保険薬局
,
専門医療機関連携薬局
,
がん
,
情報連携
pp.695-698
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211990
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■はじめに
2019年12月に改正法として公布された「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下,薬機法)」に伴い,2021年8月より「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局(以下,専門薬局)」の2種類の薬局を認定する制度1)が施行された.法律下において保険薬局の専門性を外向けに標榜(図1)できる制度は本邦初となる.
本制度は,利用者が自身に適した薬局を主体的に選択するために薬局を類型化したものであり,今後の薬局機能や質を評価するための指標の一つとなり得る.改正薬機法の施行後2年が経過する今,全国の保険薬局61,791施設2)のうち,2023年5月末時点の厚生労働省の公開情報では,地域連携薬局は3,777施設,専門薬局は152施設が認定を受けており3),そのうち当社の全薬局1,215施設では,地域連携薬局は457施設,専門薬局は25施設(うち両方の連携薬局の認定は20施設)が認定を受けている.
各都道府県知事により認定を受ける本制度は,認定のための施設要件として多岐に渡る細かな規定が設けられており,日頃から薬局機能を網羅的かつ先進的にしっかりと果たしていなければ,認定を受けることができないといっても過言ではない.
本稿では,がん等の専門的な対応が求められている専門薬局について,これまでの当社の取り組みも含めて紹介したい.
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