Japanese
English
研究と報告
無症候性脳梗塞が脳出血の機能予後に及ぼす影響―FIMを用いた検討
Effect of silent cerebral infarction on functional outcome of cerebral hemorrhage: Analysis using FIM.
上久保 毅
1
,
宮野 佐年
2
,
猪飼 哲夫
2
,
武原 格
1
,
杉本 淳
1
,
西 将則
1
Takeshi Kamikubo
1
,
Satoshi Miyano
2
,
Tetsuo Ikai
2
,
Itaru Takehara
1
,
Atsushi Sugimoto
1
,
Masanori Nishi
1
1東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科
2東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
2Department or Rehabilitation Medicine, Jikei University School of Medicine
キーワード:
脳出血
,
無症候性脳梗塞
,
FIM
,
機能予後
Keyword:
脳出血
,
無症候性脳梗塞
,
FIM
,
機能予後
pp.543-547
発行日 2002年6月10日
Published Date 2002/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109785
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はじめに
近年,脳ドックの普及に伴い,無症候性の脳梗塞や脳出血などの脳血管病変に対する関心は高まっている.なかでも,脳卒中患者において,その責任病巣以外に対応する巣症状を示さない血管性の病巣は無症候性脳血管性病巣と呼ばれている.その無症候性脳血管性病巣の大半はラクナ梗塞であるが,初回脳出血患者に偶然に見つかった無症候性のラクナ梗塞が,その患者ADLの予後に及ぼす影響についての報告は現在までに見当たらない.ADLの評価法にはいくつかあるが,近年Functional Independence Measure(以下,FIM)を用いた報告が増加している.FIMとは能力低下の重症度の指標であり,FIMにおける変化は治療効果の指標としても有用である.今回,われわれは,対側大脳半球の無症候性のラクナ梗塞が高血圧性の大脳基底核出血患者の機能予後に及ぼす影響をFIMを用いて検討した.
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