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特集 東日本大震災とリハビリテーション
行政によるリハビリテーション支援体制―栗原市の状況
Disaster relief provided by the kurihara municipal governument in response to the Great East Japan Eartquake.
小泉 勝
1
Masaru Koizumi
1
1栗原市立栗原中央病院健診センター
1Kurihara Central Hospital
キーワード:
後方支援体制
,
避難所状況調査
,
生活不活発病予防
Keyword:
後方支援体制
,
避難所状況調査
,
生活不活発病予防
pp.245-248
発行日 2012年3月10日
Published Date 2012/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102401
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はじめに
2011年3月11日に発生した大地震,それに伴う巨大津波,そして原発事故は,それぞれが,また複合して人々に大きな影響をもたらした.
栗原市は宮城県北に位置し,栗駒山から東南に広がる内陸の町である.3年前の2008年6月14日に震度6強の岩手・宮城内陸地震が発生し,被災直後およびその後長期にわたり,被災者への医療支援活動を行った.この経験をもとに,3つの市立病院では,災害に対するマニュアルを充実させ,栗原市では「災害時における要援護者の緊急受け入れに関する協定」を2010年に地域の10団体14施設と締結するなど,災害対策に努めてきた.
今回の大地震では,栗原市は3月11日に震度7,4月7日に震度6強と日本で最大震度を記録した.地震直後には,電気,上水道などのインフラの障害が生じ,多くの栗原市民が自宅から公共施設に避難した.しかし,インフラの回復に伴い住宅に損傷を得た一部住民を除いて自宅に戻り,避難生活は2週間以内の一時的なものとなった.一方,発災から23日後の4月3日には南三陸町からの二次避難者を受け入れた.
本稿では,栗原市における行政がとったこれら避難者への対応について,医療の分野を中心に紹介する.
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