Japanese
English
特集 東日本大震災とリハビリテーション
原発被災地でのリハビリテーション支援活動
Rehabilitation support service in areas near the Tsunami-Damaged Fukuhima Nuclear Plant.
渡部 英晃
1,2
Hideaki Watanobe
1,2
1磐城中央病院リハビリテーション科
2東日本大震災リハビリテーションネットワーク~face to face~
1Department of Rehabilitation, Iwaki Central Hospital
2East Japan Great Earthquake Reha Network~face to face~
キーワード:
東日本大震災
,
リハビリテーション支援活動
,
放射能
Keyword:
東日本大震災
,
リハビリテーション支援活動
,
放射能
pp.239-244
発行日 2012年3月10日
Published Date 2012/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102400
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
東日本大震災ではマグニチュード9.0というわが国観測史上最大の地震が起こり,それに伴う巨大津波によって甚大な被害を受けた.福島県においては巨大津波によりすべての電源を失った福島第一原子力発電所(以下,原発)の原子炉建屋で爆発事故が発生し,大量の放射性物質が放出されるという最悪の事態が起こった1).周辺地域では同心円状の避難区域が示され,住民は避難を余儀なくされた(図)2).原発周辺の医療機関や介護施設においても,多くの患者や入所者はもちろん,医療関係者さえも緊急避難となった.地震や津波による被害でインフラの復旧が困難な状況の最中の出来事で,周辺地域はパニック状態に陥った.
今回,筆者は原発事故関連被災地として福島県いわき市と南相馬市でのリハビリテーション支援活動を経験した.どちらの地域も原発事故による放射能が震災後の生活に大きな影響を与えたが,放射線量や避難区域などの違いによってその後の復旧に格差が生じることとなった.
本稿では,磐城中央病院(以下,当院)および避難所,さらに他院でのリハビリテーション支援活動から,原発関連被災地において格差が生じた要因の分析と災害時のリハビリテーション関連職種の役割,今後起こりうる災害時の対策など,報告とともに考察する.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.