Japanese
English
特集 重症心身障害児のリハビリテーション
施設におけるトータルマネージメント
Rehabilitation of persons with severe motor and intellectual disabilities(SMID)who enter SMID institution.
椎木 俊秀
1
Toshihide Shiiki
1
1東京小児療育病院
1Tokyo Children's Rehabilitation Hospital
キーワード:
発達障害
,
能動性
,
姿勢管理
,
身体図式
,
AAC
,
チームアプローチ
Keyword:
発達障害
,
能動性
,
姿勢管理
,
身体図式
,
AAC
,
チームアプローチ
pp.119-124
発行日 2012年2月10日
Published Date 2012/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102362
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はじめに
1.重症心身障害児施設
長い間,重症心身障害児者(重症児者)の人権は否定され,言われなき差別と偏見に苦しめられ続けた.しかし,患者,家族,そして小林提樹,草野熊吉,糸賀一雄をはじめとする先人のたゆまない努力により,1961年にわが国初の重症心身障害児施設(重症児施設)である島田療育園が開園し,1967年には児童福祉法の改正により重症児施設が法に基づく児童福祉施設として位置付けられ,「医療と福祉を総合的に提供する」世界に例をみない施設として発足することになった.その結果,在宅での生活が困難になった重症児者の場合は,児童相談所に申請し認められれば,児や者にかかわらず重症児施設に入所することができ,終生そこで暮らすことができるようになった.現在,重症児施設は公立・法人立が120か所,国立・国立病院機構が74か所の合計194か所,19,000床の規模にまで拡大してきている.また在宅で暮らす重症児者も増え,その数は推計で約24,000人に上っている.
しかし,制度改革により,2012年4月から重症児施設は姿を消し,18歳未満は医療型障害児入所施設,18歳以上は療養介護に生まれ変わることになった.約50年にわたって築きあげてきた重症児者の療育の火を絶やすことなく,守り発展させることが求められている.
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