Japanese
English
講座 磁気刺激の臨床応用・第4回
脳卒中リハビリテーションへの応用
Therapeutic use of transcranial magnetic stimulation in post stroke rehabilitation.
児玉 三彦
1
,
正門 由久
1
Mitsuhiko Kodama
1
,
Yoshihisa Masakado
1
1東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University School of Medicine
キーワード:
脳卒中
,
反復経頭蓋磁気刺激
,
大脳半球間抑制
,
定量的運動指令評価システム
Keyword:
脳卒中
,
反復経頭蓋磁気刺激
,
大脳半球間抑制
,
定量的運動指令評価システム
pp.1173-1180
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102300
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はじめに
反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation;rTMS)は磁気刺激装置を用い頭皮上から反復してパルス誘導電流を発生させ,脳の興奮性を一時的に変化させる手法である.Pascual-Leoneら1)が初めてパーキンソン病患者への治療としての有効性を報告して以来,既に20年近い研究の経過においてさまざまな知見が蓄積されている.一般にrTMSは5Hz以上の高頻度で運動野を刺激した場合に皮質興奮性を高め2),1Hz以下の低頻度では逆に抑制する作用を有する3).これらの作用機序として,運動学習や記憶などに関連して大脳皮質のシナプスに生じる可塑性変化である長期増強(long term potentiation),あるいは長期抑制(long term depression)に類似した作用機序が考えられている3,4).近年,brain-derived neurotrophic factorのシナプス可塑性への関与が注目され,rTMSとの関連性を示唆する報告もみられる5).
さて,現在リハビリテーション領域においてrTMSの臨床応用で最も期待が大きい治療対象は脳卒中である.脳卒中リハビリテーションへのrTMSの応用について以下に概説する.
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