Japanese
English
研究と報告
脳卒中患者の頻尿の原因
Urinary frequency in stroke patients.
川上 途行
1
,
正門 由久
1
,
鈴木 幹次郎
1
,
阿部 玲音
1
,
大田 哲生
1
,
木村 彰男
1
,
里宇 明元
2
Michiyuki Kawakami
1
,
Yoshihisa Masakado
1
,
Kanjiro Suzuki
1
,
Leon Abe
1
,
Tetsuo Oota
1
,
Akio Kimura
1
,
Meigen Liu
2
1慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
2慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Keio University Tsukigase Rehabilitation Center
2Department of Rehabilitation Medicine, School of Medicine, Keio University
キーワード:
脳卒中
,
排尿障害
,
頻尿
,
膀胱内圧測定
Keyword:
脳卒中
,
排尿障害
,
頻尿
,
膀胱内圧測定
pp.861-863
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101852
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要旨:頻尿の評価目的でurodynamic studyを施行した脳卒中片麻痺患者64例(男性44名,女性20名,発症後経過3週間~15年,平均18.7か月)に対し,日常場面での尿回数,1回尿量,残尿量,シストメトリーでの初発膀胱充満感(first sensation of bladder filling;FSBF)時の膀胱容量,および強い尿意(strong desire to void;SDV)時の膀胱容量を後方視的に調査し,以下の結果を得た.①シストメトリーでは64例中31例で蓄尿期の過活動性を認め,残りの33例において蓄尿期は正常であった.この33例では,FSBF時の膀胱容量は平均186mlだった.②蓄尿期正常群の,実際の日常生活での1回尿量は平均144mlであり,FSBF以下で日常の排尿を行っていることがわかった.③日常場面での残尿量とシストメトリーの蓄尿期やFSBF,SDVには明らかな関係を認めなかった.以上より,脳卒中患者の頻尿は,過活動膀胱以外の原因が半数以上を占めており,それらのほとんどでFSBFより少ない1回尿量で排尿を行っていた.
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