Japanese
English
特集 脳卒中リハビリテーションの新しい展開
うつ,アパシー
Post-stroke depression and post-stroke apathy.
岡田 和悟
1
,
山口 修平
2
Kazunori Okada
1
,
Shuhei Yamaguchi
2
1大田市立病院神経内科
2島根大学医学部第3内科
1Department of Neurology, Oda Municipal Hospital
2Internal MedicineⅢ, Shimane University Faculty of Medicine
キーワード:
脳卒中後うつ状態
,
脳卒中後アパシー
Keyword:
脳卒中後うつ状態
,
脳卒中後アパシー
pp.1165-1170
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102298
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はじめに
脳卒中後にうつ状態やアパシーなどの情動行動障害を呈することは,1980年代より知られており,脳卒中のリハビリテーションを行ううえでの注意点の1つであった.脳卒中ガイドライン20091)でも,脳梗塞,脳出血とも慢性期の管理のなかでそれぞれ,「脳卒中後うつ状態に対して,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を含む抗うつ薬の投与が推奨される(グレードA)」,「脳卒中後に高率に出現するうつは,脳出血後にもみられ,認知機能や身体機能,日常生活動作(ADL)を障害する因子となるため,積極的に発見に努めるべきである(グレードB)」,「脳卒中後うつ状態に対する薬物療法は,うつ症状や身体機能の改善が期待できるため推奨される(グレードB)」と記載されており,その評価や治療に関するその後の知見が注目されるところである.
本稿では,脳卒中リハビリテーションの観点から,脳卒中後うつ状態(post-stroke depression;PSD)および脳卒中後アパシー(post-stroke apathy;PSA)について,脳卒中ガイドラインの基礎資料となった2006年以降の主要な文献を中心に,その評価,対応,治療などについて概説する.
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