Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ぼくはうみがみたくなりました」―自閉症青年を主人公にしたプチロードムービー
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.699
発行日 2010年7月10日
Published Date 2010/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101819
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周知のとおり少子化進行の陰で,特別支援学校や特別支援学級,通級指導教室に通う児童生徒数は右肩上がりで増加しており,特別支援学校では教室不足が深刻になっている.また,自閉症圏児童生徒の増加が目立っており,私の活動エリアである北海道では,自閉症・情緒障害学級の児童生徒数が,2000年の1,237人に対して,2009年は3倍の3,637人となり,障害種別では知的障害を上回り,トップの座についている.通常学級の要支援児童生徒割合も,筆者が関わったある市の担任気づきによる悉皆調査では,小学校段階ではLD(学習障害)系やADHD(注意欠陥多動性障害)系が優位だが,中学校段階では高機能自閉症系が優位になっている.
このように,昨今,自閉症圏児童生徒の存在が目立ってきているのだが,周囲の理解という点では未だ不十分である.たしかに,その行動や言動は理解されにくい.そうだからこそ,周囲も積極的に学ぶ必要があるのだ.
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